群馬県多野郡上野村-ここは沢山の天然素材にあふれている。目にするもの、耳にするもの、ただよう香り、肌で感じるもの、舌で感じるもの、そして何より『こころ』で感じるものを広く多くの方々との共有財産になったら素晴らしいと感じる。
上野村は沢山の天然素材にあふれている。目にするもの、耳にするもの、ただよう香り、肌で感じるもの、舌で感じるもの、そして何より『こころ』で感じるものを広く多くの方々との共有財産になったら素晴らしいと感じる。
ココに暮らす人間とココを好きになってくれる応援団とのゆるやかな結びつきを上手に演出したい。本物の良さは本物に触れなければ分からない。だが最初に本物の存在に気付かなければ、情熱的なアクションは始まらない。まずは知ってもらうこと。感じてもらうこと。
散りばめられた本物のピースをどう組み合わせるかで、パッチワークの作品の感じ方も変わってくる。訪れるであろう人たちに新鮮で素朴なピースたちをドンドン紹介し、提供していきたい。それらを拾い集めて自分らしい作品をみなさんに作り上げていただきたい。そしてココにいる人間に素材の良さをたくさん教えていただきたい。ココにいる人間はもっともっと真剣にその素材を末永く大切に扱っていこうと気持ちを新たにするきっかけになるであろう。
実は、その素材の中には無形のものも多い。実際に無形のものにも目を向けて欲しい。触れて欲しい。無形のものの価値こそがこの村の本当の財産かもしれない。
上野村を流れる神流川が、「関東一きれいな川」に4年連続(平成16~19年)選定される(国土交通省の水質検査において)。環境省からは、平成の名水100選に選ばれる。
村の総面積の9割以上が森林でそのほとんどが天然林。周り中が緑豊かであり、四季折々の彩りを魅せてくれる。シオジの原生林は、国の天然記念物に指定され、猛禽類やヤマネやカワセミ、蛍などの野生動物も生息。生態系が非常に豊かである。日本では珍しいアオバトも生息している。
上野村の環境が気に入って住みついたIターン組は150人余りにのぼる。
自然薯・よそもの・わかもの・ばかもの、それぞれ面白い人間味があり、そういう人材の宝庫。「子育てするなら上野村」・・・自然の豊かさといい、住んでいる人間の味といい、地域の力で子どもがのびのび育てられる。
平成4年4月から開設。17年間の活動で、のべ255名の子供達が「かじかの里学園」の山村留学を体験し、上野村から巣立っていった。
日常生活は、学園の施設で共に暮らす。寝食を共にするので、ひとつの家族のような雰囲気で人間関係を学びあえる。食事作り、そうじ、洗濯など生活する上で必要なことは、基本的に「自分のことは自分で」やってみる。または、仲間同士で協力して取り組む。
学校生活は、上野村の小中学校へ転校してくる形をとる。少人数できめ細かく温かい教育環境。
休日の時間には、様々な創作活動(陶芸・草木染・木工・皮細工・郷土料理・など)・野外活動(川遊び・キャンプ・登山・クライミング・裏山探検・洞窟探検・サイクリング・アニマルトラッキングなど)を体験できる。そこでも個人チャレンジとグループチャレンジがあり、自分の目標設定を目指して挑戦できる。
畑では作物を生産し、鶏などの家畜もいるので栽培・世話から食卓までを一貫して学ぶことができる。また、食事時に出る生ごみや落ち葉などを利用し、堆肥作りも行い畑に還す。「すべてのつながり」を暮らしの中から学べる。
村ならではの年中行事への参加を通じ、24節季を感じながら自然の暦に沿った暮らしを体験。村人との交流から直接村の文化を学べる。
子供達は協働作業の前・中・後のふりかえりの時間を大切にし、自分と仲間をやさしく見つめる力を育む。
『山村留学』は一年間という長い時間をかけて子供とじっくり付き合える最高の仕事。
子供はそれぞれの豊かな感性とリズムで生きるナマモノ。山村というフィールドの中でこそ、活き活きとその内在する力が発揮される。ホンモノに反応する彼らの力は他に類を見ないほど優れている。彼らとの共同生活は、忘れかけたモノ、見えなかったモノ、思いもしなかったコトを再確認させてくれる。その連続。
この「かじかの里」の環境を必要としている子供・人間が全国にまだまだ沢山いるはず。必要としているその子の元に、必要なエッセンスを届けてあげたい。また、ココに暮らす私たちもココに必要な人とめぐりあいたい、つながりたい。双方向の通い合いを願う。
このような環境を、それぞれがどう乗り越えていくかが問題。